大学付属の英語学校の多くは大学の…

大学付属の英語学校の多くは大学の施設を借りてるだけで、運営に大学はタッチしていない。「大学付属＝良い学校」と単純には言えない。

【解説】　フィリピンには様々なタイプの英語学校があります。大規模校や小規模校、日本資本や韓国資本、リゾートタイプやスパルタタイプなどなど。その中で「大学付属」という英語学校もあります。こういった英語学校に留学するのはどうなのでしょうか？

大学付属と聞くと、なにかそれだけで良い学校のように感じますよね。でもそれは正しくありません。「大学」という権威に惑わされているだけです。

例えば、フィリピンでも上位に入る優秀な大学で、その大学の英文学の教授や、教育学の語学教育を専門とする教授が教えてくれるというのならば、その英語学校が大学付属であることの価値があるでしょう。

また、その英語学校が大学の正式なカリキュラムと認められていて、その学校で一定期間勉強すれば単位が与えられ、その単位が日本の大学で認定されるならば、大学生にとってはそういった英語学校に留学するメリットがあるでしょう。

しかし一部を除いて、フィリピンの大学付属の英語学校はそのようにはなっていません。多くはただ単に大学の建物をスペースとして借りているだけ、つまり、単なるテナントとして入居しているだけなのです。大学本体と連携して価値を生み出している学校はごく一部です。

また、大学付属なのでフィリピン人の学生と交流できるとアピールしている学校がありますが、これも額面通りに受け取れないところがあります。というのも、交流できる仕組みを準備していないからです。

フィリピンの大学付属の英語学校に留学すれば、何もしなくても自動的にフィリピン人の大学生との交流が始まるのでしょうか？　逆の立場で考えてみてください。みなさんの大学にフィリピン人がやってきて、何もなしに自然と交流が始まるでしょうか？

交流を希望する留学生にフィリピン人学生を紹介する制度を作っているとか、定期的に交流会を開催しているとか、そうであれば交流の可能性が出てきます。ですが、そういったことをしている学校は残念ながら多くなく、留学生の自主性に任せているというのが実態です。

こういった点を考えると、大学付属だから良い、と単純に判断することはできないのです。

ただし、大学としっかり提携して大学本体の良さを活かしたり、フィリピン人学生との交流を意図的に作っている大学付属の英語学校があることもまた事実です。大学付属という言葉に安易に飛びつくのではなく、内容をしっかり吟味することが大切です。